物流業界における「2024年問題」が大きな話題となりましたが、実は、2026年(令和8年)4月にも、運送事業にとって極めて重要な法改正がありました。
改正法のポイントは、「荷主の連帯責任の明確化」と「物流の透明化」にあります。
これまで、いわゆる白トラ行為については主に運送事業者側の責任が問われてきましたが、今回の改正により、荷主や元請事業者についても、その関与の状況に応じて責任が問われることとなります。
運送を委託する立場であっても、取引の内容や実態によっては処罰の対象となる可能性があるため、契約内容や取引スキームの見直しが重要となります。

違反した場合は 100万円以下の罰金
違法な白トラ事業者に運送を委託した場合、荷主側も処罰対象となる可能性があります。

出典:国土交通省ホームページ
荷主等の皆様に貨物運送委託にあたってご留意頂くこと
自己の生業と密接不可分と判断される場合等、白ナンバーのトラックで貨 物の有償運送が可能な場合もあります。
例えば、建設業請負契約を締結し、建設業の一環として、その業務に付随して運送を行っている白ナンバーのダンプトラック等です。
ただし、運送行為のみを有償で行う場合は不可となります。
「トラック・物流Gメン」とは
適正な取引を阻害する荷主等の行為を是正するために国土交通省が悪質な荷主・元請事業者等の是正指導をするために設置した専門部隊です。
トラックGメンは、令和6年11月1日から「トラック・物流Gメン」に拡充されました。
令和7年9月より、Gメンアシスタント事務局を設置し、さらなる活動体制を強化しています。
今後、荷主や元請事業者についても、運送会社との取引内容や運送の実態を適切に把握しておくことが、より重要になります。

引用:国土交通省ホームページ
そもそも一般貨物自動車運送事業とは
では、そもそも「他人の貨物を有償で運ぶ」とは、どのような事業をいうのでしょうか。
貨物自動車運送事業法第2条第2項では、一般貨物自動車運送事業について、次のように定義されています。
「この法律において『一般貨物自動車運送事業』とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。次項及び第7項において同じ。)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものをいう。」
要するに、他人から運送の依頼を受け、その対価としてお金をもらい、トラックで貨物を運ぶ事業を行うためには、原則として貨物自動車運送事業の許可が必要ということです。
一方、自社で所有する商品や製品などを、自社の業務として運ぶ場合は、一般貨物自動車運送事業には該当せず、白ナンバーの自家用トラックを使用することができます。
つまり、単純に「白ナンバーだから違法」ということではありません。
誰の貨物を、誰が、どのような契約に基づいて、どのような対価を受け取って運んでいるのか。
この点を確認することが重要です。
また、建設業の請負契約を締結し、建設業の一環として、その業務に付随して運送を行っている白ナンバーのダンプトラックなど、一定の場合には白ナンバーによる運送が可能なケースもあります。
ただし、運送行為そのものを有償で請け負う場合は、原則として貨物自動車運送事業の許可が必要です。

一般貨物自動車運送事業者になるための主な要件
一般貨物自動車運送事業の許可を取得するためには、トラックを準備するだけでは足りません。
営業所や車庫、車両、運行管理体制、資金計画などについて、法令上の要件を満たす必要があります。
主なポイントは以下のとおりです。
- トラックを5台以上確保すること(所有またはリース可)
- 法令上の基準を満たした営業所・休憩施設を確保すること
- 法令上の基準を満たした車庫を確保すること
- 申請後に開催される役員法令試験に常勤役員が合格すること
- 必要な運行管理者を確保すること
- 必要な整備管理者を確保すること
- 必要な運転者を確保すること
- 事業開始に必要となる資金を確保すること
- 経営者が欠格要件に該当していないこと
特に営業所や車庫については、営業所からの距離、前面道路の幅員、車両の大きさ、駐車位置など、細かな基準があります。
そのため、「ここを営業所にしたい」「この場所を車庫にしたい」と決める前に、許可基準を満たしているか確認することが非常に重要です。
また、許可を取得した後も、運輸開始に向けた各種手続きや、運輸開始後の運行管理・整備管理・帳票類の管理など、継続して守らなければならないルールがあります。
許可取得はゴールではなく、適正な運送事業を継続していくためのスタートでもあります。
一般貨物自動車運送事業の許可を取得するメリット
一般貨物自動車運送事業は、運行管理や整備管理など、白ナンバーの場合にはなかったさまざまな義務が課されるため、負担やリスクもあります。
しかし、正式に許可を取得することで、他社から運送業務を受託し、運送事業として事業を拡大していくことが可能になります。
例えば、
「これまで自社の業務に付随して運送を行っていたが、今後は運送そのものを事業として展開したい」
「現在、白ナンバーで行っている運送業務について、法令上問題がないか確認したい」
「荷主から運送業務を受託するため、緑ナンバーを取得したい」
このような場合には、一般貨物自動車運送事業の許可取得を検討する必要があります。
白ナンバーから緑ナンバーへ変更することで、一般貨物自動車運送事業者としての多くの義務が生じますが、長期的な視点で事業の拡大を考えるのであれば、大きな選択肢となります。

一般貨物自動車運送事業許可取得までのタイムテーブル
初回のご相談では、現在の事業内容や今後の事業展開についてお話を伺いながら、許可取得に必要となる要件などについて詳しくご説明いたします。
その後、営業所・車庫・車両・人員・資金などの準備を進め、要件が整い次第、国土交通省へ申請を行います。
東京都の場合、申請から許可まで約4か月かかります。
許可取得後も、運輸開始に向けた手続きが必要となりますので、実際に事業を開始するまでのスケジュールについても、余裕を持って準備することが大切です。
費用について
費用は、**登録免許税120,000円、行政書士報酬550,000円(税込)です。
こちらは、営業所1か所、車庫2か所までの場合の金額となります。
実際の費用については、事業内容や施設の状況などを面談で確認したうえでお見積書を作成し、ご納得いただいた上での受任となりますので、ご安心ください。
一般貨物自動車運送事業の許可取得を、当事務所にご相談ください
当事務所では、営業所や車庫の候補地が国の基準に適合するかどうか、施設を探す段階からサポートすることが可能です。
一般貨物自動車運送事業の許可は、申請書類を作成して提出すれば終わりというものではありません。
営業所や車庫などの施設要件から、車両、人員、資金計画、運行管理体制まで、さまざまな要件を一つずつ確認する必要があります。
当事務所では、許可取得だけでなく、運輸開始まで伴走し、その後も必要に応じて顧問契約により、帳票類の管理や巡回指導対策など、運送事業を適正に継続するためのサポートも行っております。
「白ナンバーで現在行っている運送が問題ないか確認したい」
「取引先から緑ナンバーを取得してほしいと言われた」
「これから一般貨物自動車運送事業を始めたい」
「営業所や車庫の候補地が許可基準を満たしているか確認したい」
このようなお悩みがありましたら、まずはお気軽にご相談ください。
初回のご相談から具体的な対応方針まで、運送業の許認可に精通し、運行管理者資格を有する行政書士が丁寧にご案内いたします。
どうぞお気軽にお問い合わせください。
「あわせて読みたいQ&A」
- Q白ナンバーのトラックに貨物の運送を依頼すると、すべて違法になるのでしょうか?
- A
いいえ。白ナンバーであっても、建設工事など本来の業務に付随して運送を行う場合など、直ちに違法とはならないケースがあります。一方、運送行為そのものを有償で依頼する場合は注意が必要です。
- Q建設会社の白ナンバーダンプに資材や残土を運んでもらうことも違法ですか?
- A
建設工事の請負契約に基づき、その工事の一環として資材や残土を運搬する場合は、白ナンバーでも認められることがあります。ただし、実態として運送だけを有償で請け負っている場合は問題となる可能性があります。
- Q荷主が白ナンバーだと知らずに運送を依頼した場合も処罰されますか?
- A
荷主側の認識や具体的な取引内容などによって判断されます。少なくとも、白ナンバーであることを認識したうえで有償の貨物運送を発注することは避ける必要があります。
- Q違法な白トラ事業者へ運送を依頼すると、荷主にも罰則がありますか?
- A
はい。法改正により、違法な白トラ事業者に貨物の運送を委託した荷主側についても、関与の状況によっては100万円以下の罰金の対象となる可能性があります。
- Q現在利用している運送会社が問題ないか確認するには、何を確認すればよいですか?
- A
まず、貨物運送を有償で依頼している場合は、使用されている車両のナンバーや運送事業の許可の有無を確認することが重要です。特に白ナンバーの車両を利用している場合は、運送が本来の業務に付随するものなのか、運送そのものを有償で請け負っているのかを確認する必要があります。

