貨物自動車運送事業の許可が必要
法律上、人は亡くなると「モノ」という扱いになり、亡くなった方のご遺体を貨物と呼ぶのには抵抗がありますが、旅客ではなく貨物として運送されます。一般貨物自動車運送事業の許可が必要になりこれを霊柩運送といいます。
霊柩車とトラックの緑ナンバー
基本的には「一般貨物自動車運送事業」許可(いわゆる緑ナンバー許可)を受けて行う事業ですが、通常のトラック運送の許可との違いをご説明します。
- 車両は1台から事業の許可を受けることが可能です。
- 1営業所で車両4台までは、有資格者の運行管理者、整備管理者ともに不要です。よって運行管理者・整備管理者の選任は不要になります。
- 営業区域(発着地)が原則、都道府県内に限定されます。
- 車体に「限定」と表示をしなければなりません。
- 標準霊柩運送約款の利用ができます。
霊柩車の構造的要件を詳しく
自動車検査登録総合ポータルサイトの用途区分通達に構造要件の記載があります。
「地方自治体、貨物自動車運送事業法に基づく一般貨物自動車運送事業の許可を受けた者等が、専ら柩又は遺体を運搬するために使用する自動車であって、柩又は遺体を収容する為の担架を収納専用の場所(長さ1.8m以上、幅0.5m以上、高さ0.5m以上)を有しており、かつ、柩又は担架を確実に固定できる装置を有するものをいう」
その他の留意事項について
- 貨物自動車運送事業法(平成元年法律第 83号)第3条(一 般貨物自動車運送事業の許可) を必要とする。
- 柩又は担架については、その重量を 100kgとして安全性等の確認をする。この場合において、当該重量は車両重量には含めないこととし、また、積載量も付与しないこととする。
霊柩車4種類のタイプとは
①宮型
車の上に神輿のような豪華な装飾のあるものをいいます。霊柩車と聞くと、一番にイメージするのが、このタイプかと思われます。
現在は火葬場周辺に住んでいる住民への配慮から、見かけることが少なくなりました。また、購入費も高く、宮大工自体が少なくなっている為、維持や修理が難しくなったのも、減少傾向の理由と言われています。今は、葬儀屋さんが住宅街にあることも事情になっているようです。
②洋型
リムジン型と呼ばれることもあり、大型のステーションワゴンや高級車を改造したもので、キャデラック、クラウン、レクサスなどの高級車が使用されます。
③バン型
ステーションワゴンやエスティマ、アルファード等の後ろを改造して作られたもので、見た目は一般のバンとほとんど変わらない作りになっています。
④バス型
車体後部を改造して納棺部が造られており、遺族と参列者が一緒に移動できるものになります。
許可要件4つについての概要を解説
霊柩運送事業は、トラック運送事業に比べると許可を受けるのに必要な要件が緩和されている部分もありますが、霊柩運送事業の許可を取得するには、一般貨物自動車運送事業の許可と同様の要件を満たさなければなりません。
場所的要件、車輌の要件、人的要件、資金的要件です。
- 場所的要件
営業所、車庫の使用権限
都市計画法、建築基準法、農地法等の関係法令の遵守
休憩施設の設置等
- 車輌の要件
車両1台以上(寝台車・霊柩車として検査が通る車両)
- 人的要件
車輌4台までは、運行管理者・整備管理者の有資格者は不要
法令試験合格
- 資金的要件
6か月分の人件費・燃料費等
1年分の事務所、駐車場、車両費等
1年分の保険料等
この合計した金額を超える自己資金の残高証明書を、申請日及び運輸局が決めた任意の日付けで提出を求められます
許可後に発生する業務は貨物と同様
運輸開始後は一般貨物自動車運送と同様の義務が発生します。点呼、帳票類、教育、適性診断、事業報告書・実績報告書、巡回指導などの業務が発生します。
軽貨物でも営業することが可能
軽貨物の届出をするだけで、霊柩事業を行うことは可能です。
要件は軽貨物の届出に必要な要件と同様で営業所、休憩施設、車両、車庫のみです。
軽貨物の届出をすると即日黒ナンバーをつけることができます。
ご不明な点がございましたら、運送業許認可申請専門の当事務所へご相談ください。霊柩運送新規許可申請を含む運送事業者様へのサポートを行っております。